意図せぬ嬉しい出会いがあり、ビデオまで制作した”軸足”ですが、前回書いたように、1曲目の”おもいの軸足”をさらに発展させた、というか思いつくまま弄り倒したような曲になりました。これをアルバムのリードトラック的なものとして位置付けたために、他の曲より多く聴いていただいたからか、何人かの方に転調が多くてどこに行くかわからない、というような感想をいただいたりしましたが、今考えると曲調が歌詞の内容に影響したかなあ、とも思いますし、歌詞が曲の流れを規定したところもあるかもしれません。他の大抵の曲はあらかた出来上がった構成に歌詞を当てはめたのですが、これはほぼ詞曲同時進行だったので、互いに影響しあってる(もしくは干渉しあってる)ところがあるかなと、今となっては感じられます。
Aメロはマイナーコードで皮肉っぽく、Bに移るとメジャーに流れて少し強気になり、サビ部分はサビらしく少し大きなスケール(もしくは大仰)な感じにできたかなと思います。
また、1コーラス目は軸足=バスケのピボットと言う身近な例、2コーラスで突然地軸などとスケールの大きな話を取り上げてみました。軸、軸、軸といえば。。?という考えでの思いつきなので、特段地球環境とか、そういう問題提起ではありません。今になって考えると、一歩引いた視点(一歩どころではないですね)に移っていく脈絡なくのなさ、思考の飛躍は、モチーフは決めているもののはっきりしたテーマ性があるのかないのか判然としないまま何度も推敲を重ねた結果なんだろうなと思っています。文才の無さを諦めの悪さでカバーしているということですね。
で、サビですが、まあまあサビっぽいメロディーと展開かなあと思いましたので、「ソウゾウ」を使って言葉遊びにしてみました。
2コーラス目からは、曲のテーマに少しでも近づければと努力してみましたが、シンプルに片付けたくないという気持ちと、考えすぎて逆に独りよがりになってしまう焦りと、お互いが相剋してなかなかストンと落ち着く感じがありませんでした。
最終的には「善良」というワードに頼って無理くりケリをつけたような気もしますが、まあ曲のテーマが善良さなどという、愛でも勝利でも永遠でもない小さな小さな価値基準は、大事にしたいと思い続けています。
3歩以上歩くと相手ボールだったよね
部員じゃなくたってそれくらい知ってるよ
高級なコンパスを思わせる素早く華麗な動きです
わざと足踏んでニヤついてろよ
これは特別にあつらえた安全シューズ
見ろよ地を這う如きドリブルと
針の穴を通す音速パスの正確さ
自転軸はズレていくものだったよね
4万年スパンでも戻るのならまあいっか
それとも四季の移ろいで
悦に入ってる場合じゃないのかも
いつまでもあると思うなよ
地に足のついた暮らしとその地と足
地団駄踏めるだけまだマシだったねえなんて
そんな安いディストピア映画さすがに笑えない
想像してみよう
生きとし生ける全てのものが自ずから持つ
重力のラインはもれなく一つの点に集約される
与えられた振り付けで踊るしかないんだよね
隅っこで軸足は固定だけどそれなりに幸せかい
たまには誰も見てない場所で
気ままにキリキリ舞うのかい
偶然立ったピンスポットの下
急いで穴を掘り杭を打ち登記しなきゃ
軸足が地盤深く基礎に入ったそこの場所
支えてるのはどこの国籍
耐えているのはどんな性別
計算するのはどこの階級
呪いを吐くのはどんな性格
澱んでくのはいつの言説
諦めるのはどんな願望
捧げてるのは誰への哀悼?
騒々しくいこう
生きとし生ける全てのものが自ずから持つ
滑稽な外見を晒して歌ってみたり
喚いたり身震いしたり熱を持ったり
瞬いたり羽ばたいたり何度も交換したり
抱擁したりしていたい
想像してみよう
生きとし生ける全てのものの質量と熱量を
騒々しくいこう
偶然生きてる全てのものは騒げ 黙れ 騒げ
ソウゾウしてみよう
どこかで生きてる誰かが依って立てるものを
総体としての
物質が持つエネルギーが変わらないんだったら
価値は生まれてないんだとしても
それでもせめて善良ではいたい
“Pivot Foot” sung by jUn (Translation)
If you take more than three steps, it’s the other team’s ball, right?
Even non-members know that much
Swift, elegant movements, reminiscent of a high-end compass
Go ahead and step on my foot on purpose, then smirk
These are specially made safety shoes
Behold, the ground-hugging dribble
And the pinpoint, sonic-speed pass accuracy
The axis of rotation is something that shifts, isn’t it?
If it returns even after 40,000 years, well, whatever
Or perhaps, it’s no longer the time to be pleased with ourselves by the changing of the seasons?
Don’t think it will always be there
A life with your feet on the ground, and that ground and those feet
“At least we could still stomp our feet,” you say? I can’t laugh at such a cheap dystopian movie
Let’s imagine,
The lines of gravity that all living things inherently possess Invariably converge at a single point
We have no choice but to dance with the given choreography, right?
In the corner, the pivot foot is fixed, but are you reasonably happy?
Do you sometimes dance in a whirl where no one is watching?
Under the spotlight you happened to stand in,
You have to quickly dig a hole, drive in a stake, and register it
The place where your pivot foot is deeply embedded in the foundation,
What nationality is supporting it?
What gender is enduring it?
What class is calculating it?
What kind of personality is spewing curses?
When did the discourse become stagnant?
What kind of desires are you giving up on?
To whom are you offering condolences?
Let’s make some noise,
Singing while revealing the comical appearances that all living things inherently possess,
Shouting, shivering, getting hot,
blinking, flapping, exchanging many times,
And embracing
I want to do such things
Let’s imagine,
The mass value and heat value of all living things
Let’s make some noise,
All who happen to be alive, make noise, be silent, make noise
Let’s create,
Something that someone living somewhere can lean on
If the total energy of matter remains unchanged,
Perhaps no value is created, but still,
At least, I want to be good