まず、これまでの雑多なモチーフをまとめるにあたり、テーマを設定しようと思いました。歌詞を書くなどというチャレンジをしたことがほとんどなかったので、自分が何かを人に伝えようと思ったら、まず何を言おうと思うだろうか、と言う問いを最初に考えました。
そこで決めたのが、「誰にも軸足を踏まれたり蹴られたりしませんように」と言うフレーズです。そこからじゃあ人々にとっての「軸足」って何だろうと考え、軸足、さらに「足」というものが表象するものをテーマにしようと決めました。
そんな具合に「足」スタート地点に定めたところ、体のパーツシリーズでしばらく続けられるかも、などと気付き、とりあえず手持ちのネタを揉んでいけば3枚くらいアルバムが作れるかも、と思い描くようになりました。
「おもいの軸足」は、しみったれたマイナーコードの進行モチーフがあり、それに歌詞を乗っけていきました。ただ、まだ曲としての体裁をなしていない前半部分のみだったので、セカンドヴァース部分を展開させてみたいと思い、長調へ移ってみたことで、「そろそろ死ぬ」から「もうすぐ生む」に話が移り変わっていくことができました。
最後にそもそものテーマを配置して、最初くらいはご挨拶がわりに自分の下手くそな歌唱で頑張ってみようと決め、この曲は完成。と思っていたのですが、そこで一つ疑問が。
この曲では、「軸足」は各人が自らを規定する大切な価値や規範としての用語、つまりは「良いもの」のつもりで言葉を選びましたが、さて、これは他人にとっても同じく「良いもの」であるのでしょうか。弱者を罵ってないと自分のプライドを保てない人だっていくらでもいますもんね。その人の軸足だって軸足には違いないわけであって。
そんな問いが、2曲目の「軸足」に続くことになります。
“おもいの軸足(イントロダクション)”
死にそうな人
死にたい人
死んでも死にきれない人
もう死んでもいいほど幸せいっぱいな人々
もうすぐ産む人
産んでいいものかと悩む人
産みすぎてちょっとくたびれた人
そして産まれたての人
心を配って配り過ぎて
もうなんにも残ってない人
できればそんな彼女や彼が
誰にも軸足を踏まれたり蹴られたりしませんように
“The Axis of Thoughts (Introduction)” Translation
Those who are dying
Those who want to die
Those who can’t die even if they die
People who are so happy they could die
Those who are about to give birth
Those who are worried about whether they should give birth
Those who are a little tired from giving birth too much
And those who are just born
People who have given too much care
And have nothing left for themselves
If possible, may she or he
Never have their axis of thoughts stepped on or kicked by anyone